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つぶやき 親子

値段に含まれる価値

2020年1月14日

さて、一昨日の引っ越しは、3回とも赤帽の同じドライバーさんへお願いしています。

1回目は、一昨年の11月。父が認知症病棟へ入院し、もう介護施設へ戻ることがないと分かった時。施設にあった家財を実家へ運んでもらいました。

2度目は、父が亡くなった4ヶ月後、 実家にある母の家財を母が引っ越す予定の駒込のサ高住へ運んだ時。

3度目が今回。服作りに必要な大きなテーブルと道具もろもろを運んでもらいました。

僕は2度目以降、ドライバーさんと1時間かけて車に同乗し、色々なことを話しています。

今回、面白かったことは、齢をとっても、新しいことに触れる、新たな人に出会えることは、高齢者の生きる意欲を高めるということ。ドライバーさんのお母様も80歳でまだ現役で仕事をしている。その中で人とのかかわりがあるのでまだ認知症もなく元気でいる。自転車も乗って危ないけども、それを止めさせてしまうことの方が、本人の自信を失わせてしまうかもしれない、とか。気づきが多いです。1回目に同乗した時はせわしないやりとりでしたが、今は、なんだかんだで、母と私が将来に向けて動き出していること、そんな約1年の経過を共有しています。

視点は変わりますが、赤帽の輸送も物を運ぶサービスといえばそうですが、その対価は、相手への信頼や人柄の共感に対してお金を払っている。だから、デジタル化で情報の非対称性は解消されてはいていますが(事実、このドライバーさんもネットで検索して見つけたわけで)、サービスの対価には結局はアナログな付加価値が含まれます。

だから僕も、この入院着をただ安く無機質に売る気はまったくない。ここ7年間Eコマースに携わってきて感じたことは、それなりに良いものであれば、”値段さえ安くすれば”一過的にはそれなりに売れるということ。でも、持続的に、また、相応の価格を維持して利益を出すには、表現手段である商品とサービス、ブランド、その素地となる哲学が必要だと思っています。その哲学に対するお客様の共感が、営業利益に含まれる価値だと思っています。

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