病衣に対する不満に関する研究に以下があります。
田中里奈・若林たけ子・東中須恵子 「 入院中の衣服の選択理由と衣服が闘病意欲に与える影響要因の考察 」
まとめ
- 自分が着ている病衣へ不満を持つ人は、女性の方が多い
- 病衣への不満の主たる理由は、恥辱感、個の尊厳の喪失感、不合理性、不快感の4つ
- 私服の選択理由は概ねその逆だが、私服であればお金がかからないという金銭的理由もある
- 一方、病衣の選択理由は、洗濯が楽、経済的、衛生的、診察が受けやすいという合理的理由
詳細
- 着ている病衣に不満があるか? 女58.3% vs 男37.5%
- 病衣に対する不満の理由
- 恥辱感
- 浴衣タイプは胸元がはだけるので、面会のときなどに恥ずかしい気持ちになる
- 丈が短く、汚れが目立ち、古さを感じるなどにより、病衣では外出できない
- 個の尊厳の喪失感
- 男女の区別がなく、誰が着たのかわからない
- 病人の感じがする
- 体のラインに合わないのでだらしなく感じ、おしゃれができない
- 不合理性
- 抗がん剤服用のときにズボンの締め付けが気持ち悪い
- 術後、創部にズボンのゴム、縫い代があたると痛い
- 点滴中、脱ぎ着が難しく、ストーマの位置に困る
- 不快感
- 木綿は肌触りが悪い
- 洗濯のりの臭いがきつくて、気持ち悪い
- 保温性がなく、寒い
- 恥辱感
- 私服の選択理由
- 病衣は病人であることを印象付けるから
- 病衣はサイズがあわず胸元がはだけるから
- デザインやカラーが選べるから
- 入院中でも家庭での生活と近づけたいから
- 着慣れているものは落ち着き、動きやすく、着心地が良い
- 自由に着替えたいが、度々頼みづらいから
- 家にあるものを使うことでお金がかからないから
- 私服の選択理由病衣は病人であることを印象付けるから
- 病衣の選択理由
- 洗濯が楽なので家族の負担が減る
- 経済的
- いつでも着替えることができて、衛生的
- 病衣のほうが動きやすく着脱しやすい
- 診察が受けやすい